UXデザインセミナーvol.2 (エスノグラフィー)

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先日、UXデザインセミナーvol.2「エスノグラフィー」に参加してきました。

 

エスノグラフィーとはWebサイト(https://u-site.jp/research/methods/ethnography/)から引用させてもらうと

 

「文化人類学や社会学、心理学で使われる研究手法の1つです。 もともとは、対象となる部族や民族の「文化」における特徴や日常的な行動様式を詳細に記述する方法」のことを指します。

 

UXの中では最初のユーザー調査で使われる手法の1つです。

 

今回は実際に街に出てフィールドワークをしてきました。テーマは「ユーザーの食べることに関する欲求や価値」を発見すること。

 

ということで我々のチームは錦市場に向かい、主に観光客(日本人・外国人)の食べることに関する欲求や価値を調査をしました。

 

ワークショップの中では自分の考えを整理できず不完全燃焼で終わってしまったので、この場で自分がモヤモヤしていた部分をクリアにしていきたいと思います。

 

観察する

 

行動観察するにも色々な形式がありますが、今回は観察者と被観察者が直接言葉を交わしながら行う「交流的観察」を実施しました。

 

観察と一言でいっても奥が深く、以下の4つのおきてがあります。

 

・仮説や思い込みをもってフィールドにでない

 

・ユーザーを見る

 

・観察の焦点化を行う

 

・記録に徹する、解釈は後で行う

 

このようなインプットをもとに、我々は錦市場へ向かいました。

 

ご存知の方も多いと思いますが、錦市場は400年の歴史を誇る商店街。狭い通りにはひしめき合うようにたくさんのお店が軒を連ねており、食べ歩きが楽しめる観光スポットになっています。

 

当日も日本人のみならず、たくさんの外国人観光客でごった返しており、たくさんの人たちが食べ歩きをしていました。

 

何組か観察していると気になることが見つかりました。

 

「食べ終わった後に包装紙や串などのゴミを持ったまま歩いている(捨てられない)」

 

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(わかりにくいけど、カップルが串だけ持ってウロウロしながら次の店へ)

 

確かに、狭い通りに置くのが難しいのか、ゴミ箱を設置する手間を苦慮しているのか全くと言っていいほど商店街の中にゴミ箱がありません。

 

インタビューをした外国人も自分が食べたたこ焼きの皿を捨てようとゴミ箱を探していました。

 

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(食べ歩いているところから追って行ってゴミ箱を探しているところに声をかける)

 

歩きながらゴミを捨てる場所を探すことで見たいモノが見れない、ゴミを持たざるを得ないことで、片手しか使えなくなり雑貨店に入ってモノを手にとるなどができなります。

 

つまり、無意識に「ストレス」を感じているのではないかと考えました。

 

「問い」を立てる

 

人は美味しいモノを安い価格で食べることができればそれで満足できるのでしょうか。

 

それだけではノーだと私は思います。「人は快適に食べたいという欲求もあるのではないか」と観察をして感じました。

 

これが私に降り落ちてきた「問い」であり、これによって観察の焦点化をすることができるようになりました。

 

被観察者に「問い」を持って観察することで、気になることがどんどん見えてきます。

 

例えば、レストランなどで食事をする際は飲みながら食べ物を食べますが、食べ歩きをしているほとんどの人は喉が渇いても飲み物が飲みません、というか飲めません。

 

片手は食べ物、もう片方はお土産を持っていることが多く、食後にカバンからペットボトルを取り出して飲まざるを得ません。

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(食べ終えてから一気に水を飲む男性)

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(バカ売れするたこ焼きをよそに全く売れない飲み物)

 

 

もうひとつ印象的だったのは、食べ終えた後に手を気にする人が多かったことです。

 

ソースやタレに漬け込んだような食べ物を買って食べ歩くとどうしても手や服についてしまいます。

 

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(タコから垂れ落ちるタレを気にしながらスマホを操作)

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(たこ焼きを食べたメンバーが思わずとった無意識行動をパシャり)

 

 

ここで、食べ歩きをする観光客の文脈・ストーリーを考えてみると

 

観光における食べ歩きにおいては、味や価格にそれほど固執はなく、「食を通して現地の文化を感じる」ことを目的に、限られた時間のなかで市場の雰囲気を感じたり、

 

お土産を触ってみたり買ったり、友達と話しを交わし驚きを共感したいわけです。

 

実際、インタビューをしてみると食べ歩きしながら色々なものを見たいという意見が幾つかありました。

 

その中で、ゴミ箱を探しながら歩かなければならない、好きな時に飲み物が飲めない、手の汚れを気にしないといけないという状況では快適に観光(食事)できているとは言えませんが

 

インタビューするなかでそのような不満は特になく、食べ歩く人達はそのような「不便」さを疑問を感じていない、許容してしまっているのだと感じました。

 

人の「発言」を信じるのではなく、このような自然な「行動」を観ることによって潜在的なニーズが見えてきて

 

今回の場合だと、「どのようにすれば快適に食べ歩き(観光)ができるのか」という観点でサービスにつなげることができるのではないでしょうか。

 

まとめ
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今回のワークショップの目的である、観察→問い→発見→洞察という流れについて実体験を通して僅かながらも理解することができました。

 

ワークショップ中に思考を整理できなかったのは食べ歩きをする観光客に焦点を当てすぎたばかりに、他のシチュエーション、

 

錦市場に来て食べ歩きをせずに持ち帰りをする人や別メンバーが調査した、京都駅での観察記録と照らし合わせた際に

 

それぞれをうまくつなげることができなかったためでした。

 

京都駅と錦市場にいる人々では背景が違うのでそれらをつなげようとすると、どうしても抽象的な価値でしかつなげることができず具体的な洞察にまで落とすことができなかったのではないかと考えています。

 

共通する生活価値やニーズを見る際のスコープが大きくなればなるほど、そこに求められる抽象度や難易度も上がるのだろうと思います。

 

私のような初心者は、まず狭いスコープに絞りアプローチをしたほうが対象は狭いけれどもSpecificな問いができそうです。

 

こうやってワークショップの内容など自分が学んだ内容をまとめることを「リフレクション」と一般的に言いますが、こうやって書くことによって今回自分の学びを再整理できたと思います。

 

これだけの文章を書くのは筆まめでもないし、正直しんどいですがその効用も今回体験できました。

 

同時にバレずに人の後のつけて回るという探偵の気苦労も共感できた、楽しかった非日常な1日でした。

 

 

 

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masaki

神戸で働く、ITエンジニア   IT×グローバル×医療で世の中に貢献できるよう、日々奮闘中。 スポーツと海外旅行が趣味です。